株式会社FESスイス留学センター
弊社では、ご家庭の教育方針やライフプランに合わせた最適なご提案をさせていただくべく、スイス以外の国への留学支援も開始いたしました。
シンガポールを拠点とする、FESスイス留学センターのグループ企業 FES Global Education株式会社 にてご案内させていただきます。

スイスのボーディングスクールであるル・ロゼ(Le Rosey)と、幼少期に通っていたプレフルーリ(Pre Fleuri)で計14年を過ごした卒業生に実体験を伺いました。
健康上の理由でスイスへ行ったため、自分で国を選んだわけではありませんでした。ただ、結果的にスイスのボーディングスクールに14年間通えたことをとても幸せに感じています。
私は4歳で渡航したので、当時は何かを「求めて」いたわけではありません。ただ、スイスのボーディングスクールには世界中から生徒が集まるため、さまざまな国の人と関わることで、誰とでも容易に交流できるようになりました。スイスで学ぶことで英語とフランス語という、世界で広く使われる言語を学べます。国際的な環境で異文化に触れ、英語・フランス語で多くの人とコミュニケーションができるのは大きな利点です。世界がますますグローバル化するなか、私の世代にもこれからの世代にも非常に重要だと感じます。
ル・ロゼには「パスポート」制度があり、スポーツ、アート、ハイブリッドのいずれかを選びます。各パスポートに応じて、毎週規定の時間数を活動します。スポーツを選んでも週1時間以上のアートが必須、アートを選んでも週1時間以上のスポーツが必須。ハイブリッドは両方を均等に行います。学期の初めに種目を選び、基本的に学期中はその内容で活動します。
私が選んだスポーツの例:
低学年向けの週末アクティビティには、映画鑑賞、博物館見学、チョコレート/チーズ工場見学、ゴーカート、ボウリング、遊園地、アクロブランシュ、エキスポなどがありました。
週末のアクティビティは原則自由参加ですが、8〜12歳は必修でした。放課後アクティビティは必修で、毎週1〜2時間以上の活動が求められました。各スポーツはレベルを選べ、合っていないと感じたら変更も可能です。
指導者は専門分野の資格を持つ先生・コーチ・インストラクターで、複数種目を教えられる先生も多く、寮スタッフを兼ねる方もいました。例えば、地理の先生が乗馬や柔道のコーチ、男子寮スタッフ、サマーキャンプの運営を兼任していたり、陸上コーチがスキーやボートのコーチ、男子寮スタッフ、学校の遠征・チャレンジの企画も担当していました。
必要な家具は学校が用意しますが、私物は各自で持参します。教科書と制服は支給され、必要なものがある時は学校がサポートしてくれます。校内にはITショップがあり、学校で必要となるiPhone、iPad、Macを購入できました。
2025〜2026のタイムテーブル

引用元:https://www.rosey.ch/files/codes-en.pdf
日本ではインターナショナル幼稚園で英語を学んでいましたが、4歳でプレフルーリに入った当初は先生や友達の言っていることを完全に理解できるほどではなかったと思います。5歳の頃には友達や先生とコミュニケーションが取れ、英語・フランス語の授業にもついていけるようになりました。
プレフルーリでもル・ロゼでも、すぐに馴染んで友達ができました。私のように人見知りでも、周りの生徒が話しかけて助けてくれるので、1〜2日もすれば新しい友達ができます。
4歳だったので国への愛着はまだ強くなく、適応は難しくなかったと思います。ただし新学期の最初の夜はいつも大変でした。親がそばにいないのはつらいですが、寮の先生がとても優しく、眠りにつくまで落ち着かせてくれました。スイスは環境がとても清潔で、体も慣れやすいと感じます。食事面では、ル・ロゼには毎日複数のメニューがあり、アジア、ヨーロッパ、アメリカの料理など多様で、各自が母国の味を楽しめました。

問題の深刻度によって対応が変わります。小さな問題なら寮の責任者のオフィスで話をしたり、授業内の問題なら授業後に先生と話します。大きな問題の場合は、ゼネラルディレクター、校長、寮責任者、チューター、コミッティーメンバーとの面談になります。その場合は親にもメールで通知されます。
制裁(サンクション)もレベルに応じてあります。軽いものでは「ブレックファストクラブ」(朝7時に制服で食堂に行きチェックイン。1日〜1週間以上のことも)、「スイミング(女子)/ランニング(男子)」(直近の木曜朝6:30から女子は10本のスイム、男子は30分のラン)、「学業サンクション」(直近の水曜、下校せず監督付き学習室で課題に取り組む)など。最も重いのは「Conseil/Academic Conseil」で、3回で退学になります。ドラッグ/アルコール/暴力が関わる場合、多くは即時退学です。
基本的には話し合いで解決します。解決しない場合は、距離を置いて別の友人と過ごす時間が増えることも。ごく稀にルームメイトを変更することがありますが、時間が解決して、再び友達に戻ることが多いです。
pre-IBまで、原則として「国籍言語」の履修が必修(保護者の希望で免除される場合を除く)だったため、日本語の授業があり、日本人の先生から言語・日本史・文化を学びました。私は日本の学校に通ったことがなく、日本語の授業も週に数時間だったので、流暢とは言えませんでしたが、友人と毎日日本語で話すことで会話力は伸びました。
寮生活、国際的な環境、IBの学びを通じて、グローバルな視点で物事を捉え、異なる考え方を理解し、多角的に考える力が身につきました。自分の意見を貫くことも大切ですが、さまざまな視点を踏まえたうえで判断することの重要性を強く実感しています。
将来は日本の実家(美容・健康関連の会社)を継ぎ、日本国外にも展開するのが目標です。そのため、IBで次の科目を選びました。
スイスのボーディングスクールでは、IB/フレンチ・バカロレア(French Bac)、(学校によっては)AレベルやAPが主な選択肢です。日本人の場合、英語の方がフランス語より得意なことが多いので、IBを選ぶケースが一般的だと思います。私の弟は珍しくフレンチ・バカロレアを選びました。学校側は当初心配し、校長が日本まで来て家族と面談し、その後は学業面をより丁寧に見てくれました。弟は努力の末、ローザンヌ大学(UNIL)の医学部に進学しました。
IBの利点(私の実感):
IBは国際的に認められているため、複数の国に出願しやすかったです。私は日本・オーストラリア・カナダに出願し、いずれもIBのおかげで手続きはシンプルでした。質問への回答、エッセイ提出、IBディプロマの提出が中心で、日本のみ面接がありました。オーストラリアとカナダは書類で合否がメールで届きました。
ル・ロゼではIBとフレンチ・バカロレアのみで、AレベルとAPについては友人から聞いた範囲です。AレベルやAPは科目を選択して受けられ、1科目だけも可能と聞きました。IBやフレンチ・バカロレアは履修科目数がプログラムで定まっており、選べるのは各科目のタイプというイメージです。
ル・ロゼではIBまたはフレンチ・バカロレアの受験が必須で、大学出願は任意でした。高校卒業資格のみでの大学進学可否については分かりません。
各国とも10%以下(2017–2018年のデータ)。
参考:https://www.rosey.ch/news/les-nationalites-des-roseens/
ル・ロゼは国籍バランスが比較的均等でした。私の印象では、韓国からの生徒はやや少なかったように感じます。親御さんがとてもお子さんを心配され、成長過程で一般的に起こりうる小さな出来事でも学校に頻繁に連絡されるケースが多く、入学許可の選抜が厳しくなっていたのではないかと思います(あくまで私の体感です)。
70カ国(2017–2018年のデータ)。
参考:https://www.rosey.ch/news/les-nationalites-des-roseens/
週末アクティビティは原則自由参加(8〜12歳は必修)です。放課後アクティビティは必修で、毎週1〜2時間の活動が求められました。
各種目でレベルを選べ、合っていないと感じたら変更できます。
専門分野の資格を持つ先生・コーチ・インストラクターのみが指導に当たります。複数種目を教えられる先生も多く、寮スタッフを兼ねる方もいて、生徒との関係性も良好でした。
家具は学校が提供。教科書と制服も支給されますが、個人の持ち物は各自で用意します。校内のITショップで、学校で必要なiPhone、iPad、Macも購入できます。
乗馬を始める前は、学校主催のトリップに参加したり、両親が2週間ほどヨーロッパに来てくれました。乗馬を始めてからは、できる限り日本に帰国していました。
オマーン、イギリス、ギリシャに行きました。カナダのウィスラーにも行く予定でしたが、スキーの事故で参加できませんでした。
ジュネーブに日本人のナニーがいて、いつでも滞在できました。日本食を作ってくれたり、お弁当を用意してくれたり、とても助かりました。
各棟にキッチンがありますが、火を使う場合は先生の許可と鍵が必要です。
ル・ロゼでは月1〜2回てりやき味のメニューが出たり、イベントでは寿司が提供されました。デザートで「雪見だいふく」が出たこともあります。水曜と週末はUber Eatsが利用可能で、寿司を注文する生徒もいましたが、スイスなので価格は高めです。
日本人の先生が2名在籍していました。現在はアドミッションスタッフにも日本人(Mai Yagi)がいます。私は英語の方が得意だったので困りませんでしたが、英語で伝えられない時は、今は多くの生徒がスマホの翻訳を使っていると思います。
日常の英語コミュニケーションに苦労している生徒には、英語の個別レッスンがあります。学年末には友達や先生と問題なくコミュニケーションが取れるようになります。
4歳当時の記憶は多くありませんが、プレフルーリ卒業時には英語とフランス語の「話す・読む・書く」ができるようになっていました。
pre-IBまでは原則として国籍言語の履修が必修で、日本語の授業があり、日本人の先生が教えてくれます(私は週数時間受講)。授業の具体的な形態(完全個別/グループ/オンライン等)についての詳細は、私の体験では特に区別していません。
ルームメイトは基本的に自分で選べるので関係は良好です。喧嘩しても数日で仲直りします。一緒に暮らすことで「大したことではない」と気づけるからです。相手の予定によっては自室で一人の時間も取れますし、どうしても個室が良い人向けにシングルルームもあります(数は限られます)。

私が出会ったハウスペアレントは皆とても親切で、何でも話せました。もし担当の寮母に話しにくければ、寮長や他の寮スタッフにも相談できます。必要な時にいつでも支えてくれるので、遠慮せず頼って大丈夫です。
はい。スイスの先生も多いですし、街へ買い物や食事に出た時、学校行事や各地の訪問先、冬学期のスキー・スノーボードでリフトスタッフと接する場面など、日常的に交流の機会があります。
IBでフランス語を履修していたので、毎週フランス語の授業がありました。学校内ではフランス語話者の先生と話すときに使い(全員英語も話しますが、フランス語の方が楽な先生もいました)、学校外ではスーパー、レストラン、買い物、駅などで使用しました。私がいたのはスイスの仏語圏なので、ドイツ語は必要ありませんでした。
はい。国際校では日常的に複数言語を使うので、英語やフランス語に自信がなかった生徒も次第に慣れます。日本語だけで通すことは難しい環境なので、英語/フランス語を使わざるを得ず、しばらくするとほとんどの生徒が話せるようになります。
多文化環境で育ったことで、異文化理解力と、相手の視点を汲んで柔軟に考える力が身につきました。文化が違えば思考法も異なりますが、背景を理解した上で対話する姿勢が養われました。これは文化に限らず、個々人の意見や価値観を理解するうえでも役立っています。
どちらも「家」と感じます。もともと日本語があまり得意ではなかったので、スイスの方が友達作りや人付き合いは楽でした。ただ、コロナ以降は日本にいる時間が増え、日本でも友達が増え、言葉の壁がなくなってからは両方が同じくらい「家」と感じます。現在は2年に1度スイスを訪れる程度で、日本で楽しめる趣味も見つかったので、学校の休暇で戻りたいのは日本です。
スイスに行ったこと自体で将来の目標(家業を継ぐ)は変わっていません。ただ、日本に戻って家で過ごす時間が増えたことで新しい趣味に出会い、夢の形には変化がありました。
——
※回答はご本人の第一言語となった英語でいただいたものを、スタッフが翻訳しました。
※添付写真の一部は、プライバシー保護の観点からイメージ画像を用いています。
関連記事