弊社では、ご家庭の教育方針やライフプランに合わせた最適なご提案をさせていただくべく、スイス以外の国への留学支援も開始いたしました。
シンガポールを拠点とする、FESスイス留学センターのグループ企業 FES Global Education株式会社 にてご案内させていただきます。
株式会社FESスイス留学センター

現在スイスで留学されるご家庭のサポートを担当しております、伊藤です。
AIが日常に深く入り込み、そしてその進化がさらに進んでいくこれからの時代、「何を学ぶか」はもちろんのこと、「どこで学ぶか」という選択の意味も、これまで以上に大きくなってきていると、最近あらためて感じています。
インターネットを通して、誰でも講義や論文、翻訳にアクセスできる今、「わざわざ留学をする意味って何だろう?」という問いは、以前よりもずっと身近なものになってきました。実際、大人だけでなく子どもたちからも、親や先生にこうした疑問が投げかけられることが増えているように感じます。
まず、AIやインターネットの進化によって大きく変わったのは、「知識へのアクセスのしやすさ」だと言えるでしょう。そのためのコストも、以前に比べて大きく下がりました。今ではオンラインで大学レベルの授業を受けたり、専門的な論文を読んだり、翻訳ツールを使うことも当たり前になってきています。
その結果、「何を学ぶか」という面では、以前ほど環境による差は大きくなくなっており、純粋に知識を得ることだけが目的であれば、海外留学をする必然性は小さくなっているとも言えます。
ただ一方で、こうした「何でもすぐに手に入る環境」は、私たちに別の変化ももたらしています。
それは、「時間や努力をかけて何かを手に入れる」という経験が、以前に比べて少なくなってきているということです。
少し調べれば答えが見つかり、翻訳もワンクリックでできる今、試行錯誤したり、遠回りしたりしながら理解にたどり着く機会は、確実に減っています。
もちろん効率が上がること自体はとても大きな価値ですが、その一方で、「うまくいかない時間」や「乗り越える過程」の中で育まれてきた粘り強さやメンタルの強さは、意識しなければ得にくくなっているとも言えるかもしれません。
だからこそ、「あえて簡単にはいかない環境に身を置く」という選択の意味が、これからはより大きくなってくるようにも感じます。
留学には、まさにそうしたオンラインではなかなか代わりがきかない経験があります。
そのひとつが、言語や文化との関わり方です。言語や文化というのは、机の上で「理解するもの」というよりも、日々の生活の中で自然と「使いながら身についていくもの」に近い感覚があります。
現地で暮らしていると、授業や友人との会話、買い物、ちょっとした雑談まで、すべてが学びのきっかけになります。うまく伝わらなかったり、誤解されたりする経験も含めて、その一つひとつが小さな「乗り越え」の積み重ねになります。
そうした環境の中では、特別に勉強しようと意識しなくても、日常そのものが学びとして積み重なっていきます。そして同時に、「簡単にはいかない状況に向き合い続ける力」も、少しずつ育っていきます。
特にスイスのように、多言語・多文化が当たり前に混ざり合っている国では、その特徴がよりはっきりと感じられます。ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語、そして英語が、地域や場面によって自然に使い分けられている環境では、「ひとつの言語を学ぶ」というよりも、「状況に応じて言葉や文化を切り替えながら生きる」感覚が日常になります。
そうした環境に身を置くことで、語学力だけでなく、「自分とは違う前提を持つ人と一緒に過ごすこと」に対する感覚も、少しずつ自然に身についていきます。それは教科書やオンライン学習だけではなかなか得にくいもので、環境そのものが思考や行動に影響を与えるという意味で、留学ならではの価値だと言えるかもしれません。
そしてもうひとつ、見過ごされがちですが、とても大切な視点があります。それは、「人間は本来、自然の一部である」ということです。
現代の生活は、都市化やデジタル化によって、自然から少しずつ距離ができた環境の中で成り立つことが増えました。仕事も学びも趣味も情報も、画面の中で完結し、効率やスピードが優先される世界です。その中で私たちは、「自然の中で生きている」という感覚を、忘れてしまうことがあります。
けれどスイスのように身近にアルプスの山や湖に囲まれた環境では、その感覚を自然と思い出す瞬間があります。澄んだ空気の中を歩いたり、山の天気の変わりやすさに驚いたり、季節ごとにまったく違う景色に出会ったりする中で、「ああ、自分もこの大きな自然の一部なんだな」と感じることがあります。
こうした体験は、特別なアウトドア体験というより、もっと日常に近い“感覚の回復”に近いものかもしれません。
そして実は、体を動かすこと自体も、私たちの心や脳にとってとても大切な働きをしています。ハイキングやスキー、登山のように全身を使うアウトドアスポーツは、ただ体力をつけるだけではなく、バランスを取ったり、周りの状況を見ながら判断したりと、自然と頭もフル回転します。
こうした動きの積み重ねが、集中力や判断力、さらには気持ちの安定にもつながっていきます。また、自然の中で思い通りにいかない状況に向き合う経験は、小さな挑戦と達成の連続でもあります。
その一つひとつの積み重ねが、「自分もできた」という感覚につながり、やがて大きな自信やしなやかな強さになっていきます。
情報が簡単に手に入る時代だからこそ、あえて時間や手間のかかる環境に身を置くこと。
そして、思い通りにならない経験の中で、自分自身を育てていくこと。
そうした視点から考えると、留学の価値は単に「知識を得ること」ではなく、「どう成長するか」という問いに深く関わっているのかもしれません。
AIについては、まだまだ語るべきことが尽きません。けれどその一方で、どれだけ技術が進んでも、最後に大切になってくるのは、「人としてどう在るか」なのだと感じます。
さらにAIの時代だからこそ、人としてのやさしさや、人と向き合う力といった“人間力”が、これまで以上に求められていくのでしょう。
スイス留学は、知識や語学だけでなく、人と人とが関わる日々の中で、相手を理解し、思いやりを持ってより温かく関われるような力を、時間をかけて自然に育んでいく場でもあります。
そうした積み重ねが、これからの時代においても、変わらず大切な土台になっていくのだと思います。
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