2025/6/10 17:34

スイス留学生は放課後・休日どう過ごす？小学生・中学生・高校生別にご紹介

スイス留学を検討している保護者や学生の多くが気になるのは、現地の若者たちが放課後や休日をどのように過ごしているかという点でしょう。日本とは異なる教育環境や文化的背景の中で、小学生から高校生までの子どもたちがどのような娯楽活動に参加し、どのように友人関係を築いているのか、また費用面や安全面での配慮はどうなっているのかといった疑問を持つ方も少なくありません。本記事では、スイスの若者たちの実際の娯楽活動を年代別に詳しく紹介し、スポーツ活動から文化施設の利用、デジタル娯楽の現状、地域コミュニティでの活動まで、幅広い視点から現地の生活実態を解説します。さらに、留学生が現地の若者と自然に交流できる環境や、多言語国家ならではの文化的多様性の魅力についても具体的に説明し、スイス留学における充実した学校外生活のイメージを明確にお伝えします。

年代別の放課後の過ごし方

小学生から中学生の放課後活動

スイスの公立小中学生は、放課後に楽器やスポーツなどの習い事に取り組むことが一般的です。友達と公園で遊んだり、お家で過ごしたり、宿題をしたりと、日本の子どもたちと似た過ごし方をしています。インターナショナルスクールでは、音楽やスポーツなどの放課後活動が充実しており、宿題と合わせて有意義な時間を過ごしています。

スイスの小中高校では、日本と比べて宿題の量が少なく、子どもたちはより多くの自由時間を持つことができます。休日や長期休暇は「しっかり休む」ことが重視されており、多くの場合、宿題はほとんど出されません。このような環境により、子どもたちは様々な娯楽活動に参加する時間を確保できています。

高校生の自立的な活動

高校生になると、より自立的にスポーツジムでトレーニングしたり、ランニングに行ったり、楽器の練習をしたりして時間を過ごすのが一般的です。宿題やテスト勉強も重要な活動の一つとなります。16歳からアルバイトが可能なため、放課後はアルバイトをする生徒もいます。

高校生の世代では、デジタルな娯楽にあまり多くの時間を割かなくなる傾向が見られます。その代わりに、趣味を通じて友人と一緒に時間を過ごすようになります。音楽のジャムセッションや演劇の発表など、趣味を生かした自主的な活動に取り組む姿も多く見られ、施設を借りてイベントを企画したり、仲間と集まってハイキングやバーベキューを楽しんだりと、活動の幅や友達の輪がどんどん広がっていきます。

季節ごとの娯楽活動の特徴

冬季の娯楽活動

冬のシーズンには、スキーやスノーボードはもちろん、「アフタースキー」と呼ばれるパーティーも大いに盛り上がります。アフタースキーパーティーでは、スキーウェアのまま屋外に近い環境で音楽を楽しみながら過ごすのが一般的で、DJによる音楽が中心となります。若者同士でシャレー（スイス山小屋）を借りて数日山籠もりすることもあります。

COVID-19の影響により、室内での活動に制限がかかった際には、ノルディックウォーキングやスノーウォーキングなどの個人でも楽しめる野外スポーツに人気が出ました。現在でもこれらの活動は多くの若者に愛され続けています。

夏季の娯楽活動

夏場は湖や川辺、時には山によく集まります。スイス人はどの年齢でもアウトドアスポーツを楽しみますので、若者の集まる場所も自然の中が多いです。数日過ごす場合は、キャンプを通しての集いも多く見られます。

スイス各地の湖周辺では、数多くの音楽フェスティバルが開催されており、中でもモントリュー・ジャズ・フェスティバルは特に有名です。これらのイベントは、音楽を愛する若者たちにとって重要な娯楽の機会となっています。

文化施設の活用

博物館と図書館

スイス国内には、歴史、芸術、科学、交通など多岐にわたる分野の博物館が約1,100以上あり、最近は「体験型展示」や「現代アート展」が多く若者にも人気です。一部の施設では、学生無料や学生割引の特権があり、若者が気軽に文化に触れることができる環境が整っています。

図書館は、学校と連携した図書館もあります。電子書籍やデジタルメディアの貸し出しも進んでおり、学生の学習スペースとしても人気があります。これらの施設は、勉強だけでなく、静かな環境で読書を楽しんだり、友人と一緒に調べ物をしたりする場としても活用されています。

映画館と映画祭

映画館も人気で、フランス語圏、ドイツ語圏など地域によって上映言語が異なり、通常英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語の多言語字幕が提供されます。Zürich Film FestivalやLocarno Film Festivalなどの映画祭も人気で、若者たちは最新の映画作品や国際的な作品に触れる機会を得ています。

これらの文化施設は、留学生にとって現地の文化を理解し、言語学習にも役立つ重要な場所となっています。多言語対応により、様々な背景を持つ若者が同じ作品を楽しむことができる環境が整っています。

デジタル娯楽の現状

小中学生のデジタル活用

小学生や中学生の間では、ゲームやSNS、動画視聴といったデジタルコンテンツの楽しみ方は、日本とあまり変わらず人気があります。特にYouTubeでは英語の動画を観る機会も多いようで、「YouTubeで英語を覚えた」と話す子どももおり、実際に英語を流暢に話す姿に驚かされることもあります。

このようなデジタル娯楽は、留学生にとって現地の子どもたちとの共通の話題を見つける手段としても有効です。同じゲームや動画コンテンツを楽しむことで、言語の壁を越えたコミュニケーションが生まれることもあります。

高校生の娯楽の変化

高校生になると、その世代的な影響もあるのか、デジタルな娯楽にあまり多くの時間を割かなくなる傾向が見られます。その代わりに、趣味を通じて友人と一緒に時間を過ごすように見えます。この変化は、より実体験を重視し、人との直接的な交流を大切にする成長の表れとも言えるでしょう。

地域コミュニティの活動

小中学生向けの地域活動

スイスでは、小・中学生向けに、日本でいう「学童保育」に近いような、放課後に安心して遊びや活動ができる場所が提供されていることがあります。そこでは、子どもたちが友達と自由に過ごしながら、地域とのつながりや多文化の理解も育んでいきます。

また、イースターやハロウィンといった季節のイベントをはじめ、アイススケートリンクを利用したディスコイベントや各種フェスティバルなど、若者向けの楽しい催しも数多く開催されます。これらのイベントは、留学生が現地の文化に触れ、同世代の若者と交流する貴重な機会となっています。

高校生の自主的な活動

高校生になると、音楽のジャムセッションや演劇の発表など、趣味を生かした自主的な活動に取り組む姿も多く見られます。施設を借りてイベントを企画したり、仲間と集まってハイキングやバーベキューを楽しんだりと、活動の幅や友達の輪がどんどん広がる様子が伺えます。

ローザンヌ市では、毎月異なる音楽ジャンルをテーマに、音楽を聴きながら絵を描く会などが開かれており、各地から多くの若者が集まります。共通の趣味を通じて人がつながる場であるため、言語の違いをあまり意識せずに交流している様子が見られます。

創作活動への参加

音楽・芸術・演劇活動

スイスでは、音楽・芸術・演劇などの創作活動が、若者の自己表現や文化交流の手段として非常に大切にされており、幅広いサポートがあります。音楽、芸術、演劇などの習い事をする際は、通常学年末に発表会があり、一年の成長を披露する場が設けられます。

多くの自治体や文化センターが若者向けアートワークショップ（グラフィティ、ストリートアート、デジタルアートなど）を開催したり、展示会を開催したり、コンサートやジャムセッションをしたりしています。地域の演劇団では脚本の執筆から演出、照明、演技までを若者が主体的に行うプロジェクトも多く、自己表現とチームワークの両面が育つように考慮されています。

娯楽活動の費用について

費用を抑えた楽しみ方

スイスの若者は、お金をかけないで上手く遊んでいるように思えます。お弁当を持ってハイキングに出かけたり、スキーに出かけたり、学生無料のコンサートに出かけたり、美術館に足を延ばしたりしています。ボーリング場や遊園地などお金をかけて遊ぶこともできますが、一般的には自然の中やアートな空間を自ら作り出し、できるだけ費用をかけないで遊んでいるように思えます。

COVID-19の影響でお家で料理をする機会が増え、現在も趣味にしている若者が多いようです。このような手作りの楽しみは、費用を抑えながらも充実した時間を過ごす方法として定着しています。

スポーツ用品への投資

ただし、アウトドアスポーツの用品にはお金をかける傾向があり、スキーやマウンテンバイクなどのスポーツ用品は、スポーツギア、ウェア、プロテクションとしっかり費やす様子が伺えます。これは安全性と快適性を重視するスイスの文化的特徴でもあり、長期的に使用することを考えた投資として捉えられています。

学校・寮での支援体制

放課後活動の支援

スイスの学校や寮では、放課後にさまざまな活動が用意されており、スポーツや音楽、調理クラスなどを通じて、充実した時間を過ごすことができます。多くの寮では門限が設定されており、所定の時間までに戻って「チェックイン（点呼）」を受ける仕組みが整えられています。

また、週末や休日には、放課後には実施できないような日帰りの野外活動や他都市への遠足が企画されることも多く、生徒たちにとってリフレッシュや異文化体験の貴重な機会となっています。一方で、個人での外出（買い物など）を希望する場合には、事前に外出申請書の提出が必要となることもあり、また、安全確保のために複数人での行動を義務づけている学校もあります。

ボランティア活動への参加

自然保護活動

森林の保全作業、山道の整備、湖や川の清掃活動など、スイスの自然を守る活動は人気です。これらの活動は、スイスの美しい自然環境を維持するために重要な役割を果たしており、若者たちが環境意識を高める機会にもなっています。

地域貢献活動

その他、高齢者施設での交流支援、買い物の手伝い、話し相手ボランティアなどの活動があります。地域のお祭り、スポーツ大会、文化イベントの運営サポートや準備作業は特に若者に人気があるボランティア活動で、大規模イベントでは、ボランティア証明書が発行されることもあります。そして、留学生でも参加できるボランティア活動も各地にあります。

情報収集の方法

学校のクラブ活動

スイスの学校では、スポーツ、絵画、演劇、音楽など、さまざまな分野のクラブ活動が活発に行われています。こうした活動を通じて、共通の趣味を持つ仲間とのつながりが生まれ、自然と娯楽活動の輪が広がっていくこともよくあります。

地域の情報源

各地にある観光案内所（Tourist Office）では、地域で開催されている多様な娯楽イベントやアクティビティの情報を得ることができます。そして、SNS上の地域コミュニティや趣味別のグループページを活用することで、現地の最新情報やおすすめの活動を見つけることもできます。

安全面での注意点

基本的な安全対策

やはり、一人での行動はできるだけ避け、信頼できる友人と一緒に行動することが重要です。また、危険な場所や時間帯、不安を感じるような状況には近づかないよう、常に周囲に注意を払うことも大切です。

スイスでは自然の中で過ごす機会が多く、特に山に出かける際には、天候の変化に十分注意し、適切な服装や装備を準備することが必要です。日没後や暗い時間帯の行動はリスクが高まるため、注意しましょう。

法律とルールの理解

また、スイスの多くの州（カントン）では、16歳からビールやワインの飲酒が認められていますが、未成年の飲酒は法律で禁止されています。現地の法律やルールを正しく理解し、飲酒だけでなく、ドラッグやたばこなどについても、自分自身の健康と安全を守る意識を持つことが大切です。

保護者の考え方

体験重視の教育方針

スイスの保護者は、芸術・スポーツ・自然体験など、さまざまな分野における体験を通じて、子どもの成長を支えることを大切にしています。特に自然との関わりは重要視されており、幼少期から親子で山や森に出かけることが一般的です。四季を通じて自然の中で過ごす中で、子どもたちは「自然と共に生きる力」を育んでいきます。

また、娯楽活動は子どもの自立心を養う貴重な機会であると考える家庭も多く、子どもが自分で興味を見つけ、判断し、行動する様子を、保護者は一歩引いた立場から温かく見守るスタンスを取ります。その中で安全面への配慮も重要視していて、必要な装備や道具は慎重に選び、しっかりと準備を整えたうえで活動を支える姿勢が見られます。

文化的多様性の魅力

多言語国家の特徴

スイスは、ドイツ語圏・フランス語圏・イタリア語圏・ロマンシュ語圏といった地域ごとに言語や文化が異なる多言語国家です。そのため、さまざまな地域を訪れることで、より多様で興味深い娯楽や文化体験を楽しむことができます。

留学生にとっての交流環境

スイスに留学する学生にとって、娯楽活動はもっとも親しみやすく、自然にコミュニケーションを取ることができる貴重な環境のひとつです。文化の違いも、そうした場面ではむしろ魅力として受け入れられることが多く、互いに刺激を受けながら学び合える、興味深い交流の場になっていると感じられます。

まとめ

スイス留学中の若者たちは、年代に応じて多様な娯楽活動を楽しんでいます。小中学生は習い事や友達との遊び、インターナショナルスクールでの充実した放課後活動に参加し、高校生になると自立的にスポーツジムでのトレーニングや楽器練習、アルバイトなどに取り組みます。スイスの豊かな自然環境を活かしたアウトドアスポーツが通年人気で、冬はスキー・スノーボード、夏は湖でのウォータースポーツやハイキングが盛んです。文化施設も充実しており、1,100以上の博物館や図書館、映画館での多言語対応により、留学生も現地文化に触れやすい環境が整っています。地域コミュニティでの活動や創作活動への参加も活発で、費用を抑えながら自然の中で楽しむ文化が根付いています。

このような充実した環境でのスイス留学をお考えの際は、FESスイス留学センターが包括的なサポートサービスをご提供いたします。豊富な実績を持つコンサルタントによる無料カウンセリングも行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。