
スイス プレ・フルーリで育む「自分の言葉」日本語教師インタビュー
スイスの山あいにあるプレ・フルーリ・インターナショナル・アルパイン・スクール(PréfleuriInternationalAlpineSchool)。自然に囲まれたこの学校には、国籍も言語も文化も異なる子どもたちが集い、学びと生活をともにしています。今回は、同校で日本語を担当しているS先生にお話を伺いました。S先生は日本語と書道を教えるほか、必要に応じて学校と保護者の間の通訳サポートも行っており、今年で勤務3年目を迎えます。日々の学校生活の中で見えてくる「多国籍環境ならではの学び」や、日本から来た生徒が最初に直面しやすい壁と、その乗り越え方について伺いました。S先生への質問Q1.この学校で働き始めたきっかけを教えてください。A.プレ・フルーリで働いていた友人の紹介で、書道クラスを希望していた生徒さんのレッスンを担当することになったのが始まりです。Q2.初めて学校を見学したときの第一印象は?A.家庭的で温かい雰囲気の中に多文化が共存した活気あるコミュニティがあり、一人ひとりの生徒さんたちを大切に見る学校で、子ども達がのびのびと過ごしている姿が印象的でした。Q3.学校の「ここが好き」という“お気に入り”ポイントはどこですか?A.美しい大自然の中にありながらも、充実したアクティビティが用意されており、学びと経験を大切にしている点です。また、アットホームな雰囲気の中、生徒が安心して挑戦できる環境をサポートしている点です。Q4.この学校の魅力を一言で表すと?A.「一人ひとりを大切に育てる国際的なファミリースクール」です。Q5.多国籍環境の良さが出たエピソードがあれば教えてください。A.文化も言語も違うお友達と自然に関わる事になる為、「僕/私の国ではね」という会話が生まれます。そのようなやり取りの中で、世界の多様性を、頭で学ぶのではなく体感していき、同時に、「日本の事も伝えたい」という姿勢が芽生える。その姿から、自国への関心や理解を深めようとする意欲も育まれているのだと実感します。Q6.日本から来る生徒さんが、最初の数か月でつまずきやすい点は何でしょう?A.日本から来る生徒さんにとって、生活環境と学校が同時に変わる大きな挑戦の中、母国語以外の言語で発言をしたり自分の意見を求められる場面に戸惑う事もあるかと思います。Q7.それをどう乗り越えていく生徒さんが多いですか?A.授業だけではなく食事・アクティビティ等の日常を友人と共有することで、短い言葉でも会話に参加し、小さな成功経験を重ねることや、困った時は耳を傾けサポートしてくれる学校スタッフがいるという安心感の中で、結果として適応が進んでいくように感じられます。Q8.忘れられない生徒さんの成長の瞬間を教えてください。A.最初は自信がなく発言をためらっていた生徒さんが、月日とともに目に見えるように少しづつ英語やフランス語で自分の言葉を表現できるようになっていくのを見た時です。また、日本語クラスにおいても、以前は難しかったことができるようになった事に自分で気が付き、「できた!」「そうか!」と目の輝かせる瞬間に、自信と自己肯定感が育っていく姿は何度見ても心を打たれます。Q9.留学中、日本語を維持するためのアドバイスはありますか?A.好きな分野や興味のあるテーマの本を目につくところに置いて読むことや、短い日記、音楽や会話を通してインプットとアウトプットの両方を取り入れ、無理なく「日本語を使う機会」を生活の中に残すことが大切だと思います。Q10.入学を考えているご家族へ、メッセージをお願いします。A.プレ・フルーリでは、生徒さんの個性や成長段階に応じたきめ細やかなサポートが大切にされていると感じています。学力だけでなく、自分自身を理解し自信を持って次のステップへ進める力を育てている点がこの学校の大きな魅力の一つです。機会がございましたら是非一度、見学にお越しいただければと思います。Q11.入学を考えている生徒さんへも一言お願いします。A.新しい環境への挑戦には不安もあると思いますが、支えてくれる学校や仲間がいるので、様々な事に挑戦しながら自分のペースで成長していってほしいと思います。たくさんの経験を通して積み重ねたものは、その先の人生にとってもかけがえのない宝となり、自分を支える自信になってくれると信じています。<<学校の周りには野原が広がり、スイスらしい雄大な雪山を望めます>>多国籍の環境は、語学力を伸ばす場である以前に、「違い」を前提に人と関わる日常そのものなのだとS先生の言葉から伝わってきます。短い一言でも会話に参加できた経験、勇気を出して発言できた経験、そして「できた!」と気づけた瞬間。そうした小さな積み重ねが、留学を“特別な経験”から“これからの人生を支える自信”へと変えていくのかもしれません。


















