現在スイスで留学されるご家庭のサポートを担当しております、伊藤です。
日本から離れて暮らすからこそ、日々強く感じることがあります。
「大和魂」と聞くと、多くの人が思い浮かべるのは、勇ましさだけでなく、静かに燃え続ける“内なる強さ”ではないでしょうか。声高に誇示するものではなく、困難に直面したときに自然とにじみ出る力。嵐の中でも根を張り続ける木のように折れそうで折れない心、周囲を思いやりながら責任を果たす誠実さ。その積み重ねこそ、日本人の精神の核にあるものです。
この静かな強さこそ、世界で輝く日本人に欠かせない力であり、世界からも尊敬される理由です。
だからこそ、日本人にはもっと世界を体験する機会を持ってほしいと思います。スイス留学のような国際的な環境で学び、世界各地から来るさまざまな人々と友達になり、文化を理解し、価値観を分かち合い、未来をリードできる人になってほしいと願っています。
まれに「日本人は世界で弱い」と言われることがあります。「自己主張が弱い」「海外では通用しない」と。しかし、本当にそうでしょうか。
世界を見渡せば、日本人の強みははっきりしています。約束を守る、時間を守る、丁寧に仕事をする、相手を思いやる、そして継続する力。これらは世界では決して当たり前ではなく、むしろ極めて希少で価値の高い資質です。
足りないのは能力ではありません。足りないのは「世界基準の経験」なのです。
では、なぜスイス留学なのでしょうか。スイスは、世界の縮図のような国です。ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つの公用語を持ち、多様な文化が共存し、そして国際機関が集まっています。たとえば United Nations(欧州本部)、World Economic Forum、International Olympic Committee。世界の意思決定が行われる場所が、日常の延長線上にあるのです。さらに教育水準も世界最高峰で、ETH Zurich や University of St. Gallen では、暗記ではなく「思考」が求められます。正解を当てるのではなく、自分の意見を持つことが重視されます。日本人がここに身を置いたとき、何が起こるでしょうか。
大和魂に、世界基準の思考力が加わるのです。
海外に出ると、必ず問われます。「あなたはどう思うの?」「日本ではどうなの?」そのとき初めて、自分が何者かを考えます。日本にいると当たり前だった文化、礼儀、価値観。それが説明できる人は、実は多くありません。かつて 新渡戸稲造 は『Bushido: The Soul of Japan』を通して、日本の精神を世界に伝えました。彼は日本の外に出たからこそ、日本の価値を言語化できたのです。外に出ることは、日本を捨てることではありません。むしろ、日本を深く知ることです。大和魂は、内向きの精神ではありません。困難に立ち向かう勇気。義を重んじる心。信頼を積み重ねる誠実さ。それは、国境を越えて通用する力です。
スイスという多文化環境の中で、異なる価値観とぶつかり、自分の意見を持ち、日本人としての誇りを磨き、そうして育った若者は、きっと世界で戦える人材になります。
大和魂を胸に、日本の子供達には世界に挑んでほしい。
困難に立ち向かい、異なる文化や価値観を理解し、信頼を築きながら未来を切り拓く。その一歩一歩が、日本の誇りとなり、世界からも尊敬される力になるのです。







